竹岡という名前をしばらく忘れそうにない

チームのミドリさんと千葉に林道ツーリングに行きました。

富津市の金谷元名林道、竹岡林道です。

富津までは下道を自走です。ほぼ120kmの道のり。

こんな長距離を乗ったことありませんよ私。原付二種だし。

往路4時間、食事2時間、林道2時間、復路4時間、0600出発の1800帰宅という予定です。

過酷ですね。修行ですか?これは。

ちなみにミドリさんはフルサイズで林道経験者、私は林道童貞です。

若干尻込みする私への誘い文句は「大丈夫ですよ」でした。

キタコレ!オフロード業界の「大丈夫」。

これはベスコンと並んで信頼度ゼロのワードですよね。

この時点でもうこれはなんかダメな気もしていたのですが、たまたま休みの都合も良かったので行ってみることにしました。

 

ここで、一つ言い忘れていたことがあります。

私は今年「バイクに乗れない呪い」に掛かっています。

誰が掛けたのか知りませんが、どのように調整してもなんらかの天変地異で乗れなくなるのです。しどきに泊りがけで行ったときなんか、前日に営業の確認を再三入れていたにも関わらず、深夜の集中豪雨でコースクローズド、乗れずに帰ってきましたよ、ええ。

 

さて、当日になりましたが天気予報は曇り後雨。

まあ、乗ってる間は降らないだろうと高をくくって出発しましたが、背中のリュックにはワークマンで買ったバイク用の本格雨ガッパを忍ばせるのを忘れませんでした。伊達に呪われていませんからね、私も。

 

これが見事に的中、走り出して1時間も立たないうちに本格的な雨が振ってきました。

早速ガソスタでカッパ姿になって再出発です。

 

まあ富津までは長かったですね。カッパは完璧な防水性能を発揮してくれて全く濡れませんでしたが、なぜかゴーグルをするのを忘れていて顔面だけは極寒という状態。死ぬほど辛かったとは言いませんが、地味に辛かったですね。

 

途中1〜2回コンビニやらガソスタに寄りましたが、ほぼ予定通りに富津の金谷港にたどり着き、まるはまという貝の食い放題@2,600円の店で昼飯です。うまかったですよ。特にサザエが。ミドリさんはまだ若いので肉から魚から貝までいろんなもの食ってましたね。しかも時間制限いっぱいまで。散々食った末、最後にケーキを食っていたのをみて、自分とは全く違う生物だということに気付かされました。私はサザエ12個とエビ2匹でダウンですからw

 

はてさて、腹ごしらえもしっかりしたので、林道に出発です。

と、そこでやおら地図を取り出して首をひねりだすミドリさん。

どうしたことかと聞いてみると、この林道は始めてとのこと。

どういう林道なのかも知らずに「大丈夫!」と豪語していたミドリさんですが、まあオフロード業界では至って普通にあることです。むしろこれが常識です。驚きませんよ私、こんなことでは。

 

懸命に捜索すること数十分、ようやく金谷元名林道の入り口に。

ミドリさんの先導でどんどん進みます。

小石がゴロゴロして、たまにワダチがあり、横から木の枝が飛び出したりしていますが、思ったよりは走りやすく(先導してもらっているからですがw)まあ快適です。転んだりブチはまったりする気配はありませんでした。

オフビのAコースを平べったくして延々と伸ばしたような感じでしょうかね。

楽しかったです。林道好きかも♪

しばらく走り回ったところで午前中の疲れも出てきて「帰りたい」と泣きを入れ出す私。

「マジですか、全然走りたりませんよ」と宣うミドリさん。

「いやマジでオッサン四十路だし痔がそろそろアレかもしれんし・・・うんぬんかんぬん・・・」

結局ミドリさんが折れてくれて「竹岡林道を通って下山すんべ。下り3キロだけだからあっという間だけど」ということに相成りました。

 

で、竹岡林道の入り口に行ったらなんですかあの魔界村。まず入り口がロックセクションみたいになっていてその前にベットベトの水たまりですよ。

水たまりでタイヤにヌルヌルの泥を付けてから、下り坂の岩の上に乗れというわけですよ。

普通ね、お店に入る前にね、ダスキンのマットがあって、あれで水や泥を落としてから中に入るから店のツルツルの床で転ばなくて済むわけでしょ?それが人を迎える、ウェルカムの基本姿勢ですよ。

でもね、竹岡林道は真逆。

ウチにどうしても入りてえってんならその水たまりで水と泥しっかり付けてからその岩を転がり落ちながら入ってみろよ、というノーウェルカムな姿勢です。酷いっすね。本当にOMOTENASHIの国・日本ですか?ここ。

途方に暮れて横を見たら「通行止め」という看板が投げ捨てられています。

入り口を塞ぐようにこの看板が置いてあれば「ミドリさん、こりゃダメだ。引き返そう」と言えるのですが横なんですよ。「これはどういうことですか?」とミドリさんに問うてみたら「イケるんじゃないですかね?とりあえずザブさん先に行ってくださいよ」という耳を疑う回答。まーたキタコレ。

 

まあ私は先達の言うことは素直に聞くのが信条(ここ最近の話ですが)なので、しぶしぶ前進することになりました。

行ってみたら意外とロックセクションの岩が滑らなくてなんとか乗り越えられました。凸凹ランドの岩だったら絶対こうは行きませんよ。何がどう滑ったのかわからんまま、地面にアタマを打ち付けられますよ、凸凹なら。もしかしたら竹岡林道って見た目はちょっとアレだけど、実はOMOTENASHIの精神があるんでは?若い人の言う「ツンデレ」って奴では?なんて思ってしまいました。

 

少し気を取り直して、そこから下を見てみたらまあ酷かったっすね。

全面粘土質の土で、雨降ってないのにヌルヌルしてるし、水が流れた跡なのかクレバス級のワダチだらけです。それも斜めに複数入っていて降りていくにはワダチを斜めに跨ぐラインしかありません。ワダチが浅ければいっそワダチの中を走ろうと思いますが、ここのワダチはタイヤが3/4くらい埋まります。入るとなかなか出られませんし、ワダチ同士が斜交しているので行きたいところには行けません。

 

まあしかし下りですし、ゆるゆる行けばなんとかなりそうでした。

早速ミドリさんに先頭を交替してもらい、3キロ先の県道との合流地点向けて出発です。

 

あんなワダチやこんなワダチを乗り越えました。

あんなヌルヌルやこんなチュルチュルも乗り越えました。

大変でしたよ。

滑るのでトラクションなんか掛かりませんけど、下りなので重力トラクションでなんとかなりました。

 

そろそろゴールなんじゃないの、ってところで林道の脇に立っているウェア姿の男性発見。私の目が確かなら×印を出しています。

その方々(二人組)いわく、「この先はダムみたいになっていて通れない。我々はそこまで行って引き返してきたのだ」との旨を、相当疲れもあるのか落ち窪んだ目で、言葉を選ぶようにポツリポツリと。

 

ミドリさんをみると目が点になっています。

 

とりあえず緊急会議が開催されましたが、結論が出るまでに1分もかかりませんでした。

 

「日が暮れる前に戻る」です。

 

 

・・・続く・・・